兎に角

制作年月日:2008年3月
サイズ:P8号
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵


 普段私達が何気なく目にしては無意識の内に消え去っていくウサギ「兎に角」を描き表してみました。
「とにかく」を携帯電話やパソコン上で変換すると「兎に角」になります。かの夏目漱石が良く用いた語呂合わせであるともされている様ですが、(角のある兎)とは、古くから「この世にはあり得ないもの・実在しないもの」という喩えとしても使われてきました。
 この世の中、「その様な物は存在しない。その様な事は絶対にあり得ない。」といった物事であっても、それが遠いいつの日にか覆される事もあり得ますし、そういった既存の常識を覆す様な発見・出来事も過去には幾らでもあると思いますし、これからもそうであると思っています。
「絶対あり得ない事など無い。」と平気でうそぶく様な顔をしつつ、この「兎に角」の如くうねる大波に軽々と乗り、無限の可能性を求めて飛び跳ねていきたいものです。