天燈鬼•龍燈鬼

制作年月日:2008年7月
サイズ:P8号(455mm×333mm)
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵

 奈良・興福寺に天燈鬼・龍燈鬼という木造彫刻があります。四天王(してんのう)像に踏みつけられる邪鬼(じゃき)を独立させ、仏前を照す役目を与えられたもので、鎌倉期彫刻の傑作といわれます。
とにかく「邪鬼」というと、懲らしめられ、苦痛にゆがむ表情を見せているものが多いのですが、この天燈鬼・龍燈鬼像はとてもその仕草や表情がユーモラスで、とても親近感の沸く彫刻です。
この絵では、その天燈鬼・龍燈鬼の幼き姿を勝手に想像して描いてみています。
成長してあの様な感じですから、幼少の頃はさぞや勝手奔放に過ごしていたに違いないですし、肩に担いでいる燈籠も子供の彼らには大き過ぎるので、その上で一休みです。
こんな彼らではありますが、この燈籠と共に、皆さんの足元をずっと照らしてくれる事でしょう。