制作年月日：2006年11月
サイズ：146mm×345mm
材料：雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵

　「ひっぱりだこ」という言葉をモチーフにしています。
元は、蛸の干物を作る時に、足を広げた状態で干される様子からきているそうですが、普段私達がこの言葉を用いる時は、「人気がある為に多方面からお呼びがかかり、とても慌ただしい状態」を表す事が多いと思われます。
この作品では２匹の蛸がそれぞれお互いを引っ張っていますが、絶妙なバランスをもって拮抗している様を描いています。
　多くの人や方面からその存在を望まれたい。欲しいものは是が非でもその手に引き込みたい。等という気持ちは多かれ少なかれ誰にでもあるかと思われますが、強引に引っ張り過ぎるとろくな事にはならないので、まずはお互いにそっと手を取り合い、バランス良く引き合う程度の状態を保つところから始めていけたら、、という気持ちを込めて描いた作品です。

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