烏素

(C) KEN SHIOZAKI

制作年月日:2004年2月
サイズ:M6号(410×242mm)
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵

  「うそ」にまつわる故事をモチーフにしています。

昔、中国のあるところに「玉須(ぎょくす)」という鳥屋がいました。彼の友人が白い烏(カラス)を見たいと言うので、玉須は、「実は自分は白い烏を持っている」と答えました。ところが、友人が玉須の家に見に行ったところ、そんなものはどこにもいなかった・・。
そして玉須という名の読みから「だます」、また、烏を「う」素を「そ」と音読みして「烏素(うそ)」という言葉がうまれた、という説があるそうです。

大小の差はあれ、嘘を付いた事のない人はおらず、それはもう人の性(さが)だといっても過言ではないと思います。 この作品では玉須も用意できなかった烏素を捕らえてかごに入れてありますので、じっくりと鑑賞できる様になっています。
大きく構えてもの事に接する事で、嘘の裏に隠れる誠を見つける事が出来る様になりたいものです。

※この作品は月刊美術2004年4月号/186Pに掲載されていました。