さるかに

(C) KEN SHIOZAKI

制作年月日:2004年4月
サイズ:F6号
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵

 よく知られた日本の昔話の「さるかに合戦」をモチーフにしています。
地方によって細かい部分であらすじに微妙に違いがあるそうですが、話の後半では、猿にいじめられたカニとその仲間達による仇討ちが成功するシーンが必ず描かれています。 ところが、この「さるかに」では、小猿が柿のなった枝を折り取って、食べ頃の実をカニに渡しています。そもそも、欲張ってカニに対して青い柿の実を投げるなどという非道い事をせず、分け合う気持ちを持っていさえすれば、最後に臼に潰される事もなく、仲良くやっていけたのです。
この「さるかに」は、たとえそれが些細な事であっても、お互いが譲り合い、共有しあう事のできる世界が来ますように、、と祈って描いたものです。