個人蔵
制作年月日：2004年11月
サイズ：M10号(535×333mm)
材料：雲肌麻紙・顔料・膠・箔

古来から、中国では獏は夢を食べる動物として考えられてきました。
「獏は悪夢を食べて吉夢を見せる。」と信じられ、日本でも魔除けや破邪の象徴として語り継がれています。
人の勝手な想像で悪夢を食べさせられなければならない獏はお気の毒です。人は悪夢を食べてもらいすっきり朝を迎える事が出来たとして、一体、、悪夢を食べた獏はどうするのでしょう？

おそらく獏は泥の如き悪夢を美しい蓮として浄化させる力を持っているのではないでしょうか。
「獏はお釈迦さまの乗り物で、お腹が白いのは、お釈迦様の乗った鞍の跡が白く残った為である。」という言い伝えもあるのですが、お釈迦様は乗っていた獏の背から降りた後、実は・・この獏によって浄化された蓮の花に座っていたのです・・・。

この「夢幻」は、言い伝えを元にして、私なりに想像を広げた世界観を描いてみたものです。

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