夜明け

(C) KEN SHIOZAKI

制作年月日:2001年8月
サイズ:SM号(158×227mm)
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵
撮影:栗生浩一

 蝉は長年住み慣れた殻を飛び出し、これからの余命2週間ばかりを鳴き通して終える為に羽ばたいていきます。
残された殻は、ついさっきまで羽化が行われたことなどまるで無かったかの様に、朝焼けの光を背にして静かに佇んでいます。
この「夜明け」という作品は、羽化という劇的な変化の後に訪れる一瞬の静寂と、蝉の抜け殻の造形美の組み合わせが織りなす空間を描きとめたものです。