猿も木から落ちる

(C) KEN SHIOZAKI

制作年:2001年6月
サイズ:変形4号(変形1号×3個組)
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵
撮影:栗生浩一

「猿も木から落ちる。」多くの人が良く知っている諺です。「どんなにその道に通じた人でも、時としてし損じる事がある。」という意味です。
その諺を、猿と百日紅(さるすべり)のシンプルな組み合わせで描き表しました。
登りそこねた猿は「ただでは落ちるまい」とばかりに、枝を一本折り取り、握りしめています。落ちた事を見られたのに気づいてこちらを振り返っているのですが、もう一度登ることを決意し、今まさに再び百日紅に挑もうとする場面です。
人間だれでも失敗しますが、その後の振る舞い次第で1度目の失敗を大きな成功に導く事が出来るかもしれないのです。
この「猿も木から落ちる」という作品は、何度でも挑戦しようとする意志や気力を、不安や迷いを持っている人に与えられますようにとの想いを込めて描いたものです。