石の上にも3年

(C) KEN SHIOZAKI

制作年:2001年
サイズ:F4号(333×242mm)
材料:雲肌麻紙・顔料・膠・箔
個人蔵
撮影:栗生浩一

「石の上にも三年」ということわざを私なりに表現してみました。
冷たい石の上でも三年も座り続けていると暖かくなり、居心地も良くなってくるもので、たとえ辛くても辛抱強く、根気良く勤めれば成功するものである。
という意味の言葉です。
「我慢して続けていればきっといいことがあるよ。」という事をいっている訳なのですが、忍耐というものを美徳とみる傾向のある日本人にとって、この言葉は違和感なく受け入れられてきたものと思われます。
しかし、他人が耐え続ける姿に感動したり美談と捉えたりする事もある反面、誰しも自分が苦難の道を歩きたいとまでは思いません。逆に現代では、出来るだけ楽をして成功をつかみたいと思う人の方が圧倒的に多い様にも思えます。
しかし、1つの道を真剣に極めようとしたならば、大抵の事は三年位では済まないと思います。
物事を成し遂げその手に望む結果をつかむまで、三年と言わず辛抱強く意志を貫き通せる精神力の強さを持ち続けられますように、との願いを、苔むした石の上でじっと前を見つめながら座り続ける蛙の姿に投影して描いた作品です。